皆さんこんにちは、『福祉のクズきち』です。
突然ですが、介護記録の重要性を理解していますか?人手不足で多くのご利用者の介護が必要な中、記録をしっかり残すことって、負担が大きいですよね。
しかし、介護記録をきちんと残すことは、とても大切なことなんです。
私もこの仕事についた頃は、まずパソコン操作に慣れておらず、短い文章でも時間がかかってしまい、ご利用者の介護業務に追われ、記録を疎かにしていたことがありました。
当時デイサービスで働いていた私は、ご利用者の連絡帳を記入する際、その日の活動内容や様子など、全てのご利用者に同じ記録を一括入力していました。
しかし、経験を積む中で個別性が重視される時代に変わってきたことやご家族が求めるサービスの質が高くなってきたことを感じました。
記録についても「このままで良いのか?」と疑問を持つようになり、恐れ多くも入社1年目の青二才であった私は、当時の主任に記録に個別性を持たせることを提案しました。
正直怒られるかと思いましたが、意外にも「やってみなよ。」と後押しして下さり、取り組んでみることにしました。
その結果…
〇「おばあちゃんがどんな風に過ごしているのかよく分かりました。」
〇「意外と楽しんでいるみたいで良かったです。」
とご家族からお声を頂きました。
また職員からも
〇「どんなレクがご利用者に喜ばれるのかよく分かる。」
〇「〇〇さんは、このレク苦手だったんだね。次は個別に対応してみようかな。」
と意外にもポジティブな感想を頂き、安心したことを覚えています。
この時から、介護記録の重要性を意識するようになりました。
介護記録について、こんな悩みはありませんか?
●具体的に何を書けばいいのか分からない
●毎日同じ内容ばかりになる
●記録は面倒くさい
今回は、介護記録の重要性のポイントについて解説していきますので、介護記録について知りたい方は、最後まで読んで頂くことをおすすめします。
何のために介護記録を残すのか?
日々の忙しい業務の中で
「介護記録なんてめんどくさい」「口頭で申し送ればいいじゃないか」と負担を感じている人も多いはずの介護記録ですが、実はとても大切なものです。
介護記録の重要性やその目的をきちんと理解して取り組んでいかなければなりません。逆に、それを理解せずに介護記録を疎かにしているとしたら…
あなたは、残念ながら介護の「ド素人」です。
介護記録を残せないというのは、自分は何も介護をしていませんといっている事と同じです。あなたは、介護のプロフェッショナルですよね?
自分でそんな事ないと思っていても、あなたが関わるご利用者、ご家族、業者の方々から見れば、あなたは介護のプロフェッショナルなんです。
これから、介護記録の重要性についてお話していきます。
介護記録が重要な理由① 制度で定められている
そもそも介護記録は、介護保険法の運営基準等に定められている項目です。
「介護老人保健施設に係る規定を記した指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」第37条や「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」第9条などに記録の整備ついて記載されています。
ですので、そもそも記録を残すことが「めんどくさかったり」、「やらなくてもいい」なんてことはありえないんです。
「記録は残さなければならないもの」
まず、これをインプットしましょう!
介護記録が重要な理由② 提供したサービスの証明
介護記録は、職員がご利用者に対してどのように接し、どのように関わったかを記録していくものです。その介護を実施した根拠や具体的な会話内容、行動などが、その記録から読み取れるようにしなければなりません。
「理由①」の中でも少し触れましたが、記録のない介護は、「何もしてません」と自分で言ってしまっているようなものです。
自分が提供したサービスは、きちんと証明できるように適切に記録するようにしましょう。
介護記録が重要な理由③ 介護記録は、ご利用者が生きた証
特養に入所されているご利用者であれば、いつかその場所でお亡くなりになる日が、必ず訪れます。いわば、入所されている方々は「人生の最期の時間を私たちと過ごして下さっている」のです。
施設の中で「何をして」「何を感じ」「どう過ごしていたのか」。記録にはその全てが詰まっています。
また、ご家族にとってもその生きた証が心の支えにもなるのです。家族は、その記録を通じてしか、その方の生活を知る術はありません。きちんとした内容が残っていなければ、ご家族に伝えられませんよね?
ご利用者やご家族の想いをきちんと記録し、残しておくことが大切です。
介護記録が重要な理由④ 職員間の情報共有
介護はひとりではなく、チームで行うものです。そして、介護の携わるのは介護職員だけではありません。多くの職種が関わる仕事です。
そのため、ご利用者に対して統一したケアが提供されていなければなりません。
そのためには、
日々の記録を残しておくことで、ご利用者の少しの変化や異変に気づくことができるのです。
逆に記録がない場合、自分が休みの日や別の介護を行っている際に、他のご利用者に何が起きていたのかを知ることができません。
チームケアを実践し、ケアに連続性を持たせるために、介護記録はとても重要です。
介護記録が重要な理由⑤ 介護記録によるリスクマネジメント
転倒や誤嚥などの事故が発生した場合、そのケアが適切であったか確かめる必要があります。
具体性がなかったり、曖昧な表現の内容では、その事故に対して何の役にも立たないですし、そもそも記録自体がなければ、次のケアにつながっていきません。
特に転倒や誤嚥などにより、救急搬送や死亡してしまったケースなどでは、その前後の職員対応が適切であったか、警察や家族などから確認される場合もあります。場合によっては訴訟等に発展する可能性だってあります。
内容に乏しい記録で「私たちは、適切に対応していました。」と言われても全く説得力がありません。
自分や施設を守る意味でも、記録はとても重要なんです。
まとめ
介護記録の重要性について以下の5つのポイントでお話してきました。
●制度で定められている
●サービスを証明するもの
●ご利用者の生きた証
●職員間の情報共有
●記録によるリスクマネジメント
介護記録には、これだけ重要な要素が含まれています。その重要性について知って頂ければと思います。
日々の業務の中で、記録に割ける時間は限られているかもしれません。しかし、介護記録は自分たちがより良いケアをしていくためにも大切なものですので、
「誰のために、何の意味があって記録するのか」
を意識して取り組んで頂ければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。