こんにちは、『福祉のほしクズ』です。
前回、不適切なケアを繰り返す「ヤバい職員」の思考や行動について解説しました。
今回は、そのような職員に対して、目指すべき職員像を示すための方法や関わり方について解説していきます。
不適切なケアは、高齢者虐待につながる可能性があり、そのリスクは限りなくゼロにしなければなりません。しかし、ただやみくもに注意したところで、相手の心には響かないこともあります。
どのような関わり方が必要なのか?

今回、いくつかのポイントに分けてお話していきますので、ぜひ最後まで読んで頂ければと思います。
「不適切なケア」をする職員に目指すべき職員像を示す

事業所が求める理想の職員像をきちんと明確にする必要があります。
では、求められる職員とは?
基本的には、前回記事で紹介した「ヤバい職員」の思考や行動と真逆のことが求められると考えて下さい。
「人の話を聞かない」 ⇒ 「他の人の考え方も理解しようとする」
「謙虚に受け止められない」 ⇒ 「人の話に耳を傾ける」
「新しいことに取り組めない」 ⇒ 「チャレンジする向上心がある」
「人がいない、時間がない」 ⇒ 「業務を工夫する、有効活用できる方法を考える」
「自分の考えを持たない」 ⇒ 「自分で考えて、行動できる」
このようになります。
そして、この職員を目指すために必要になるのが、事業所の理念や接遇の在り方を共有していくことになります。
「ヤバい介護職員」への関わり方のポイント

「不適切なケア」を共有し、職員ひとりひとりが意識することで、「不適切なケア」が起こりにくい環境を作ることができます。
しかし、その環境を作り出すためのスタートは、その部署の主任やリーダーなど、介護職員と直接かかわる責任者が行動することが重要です。
ただ注意するだけでなく、効果的に働きかけていくためのポイントをお話していきます。
関わり方のポイント① 迅速な対応をする

注意しなければならない事態が起きた時に、すぐその対応について当該職員と話す機会を作ることが重要です。
時間の経過とともに、記憶が曖昧になり、明確な考えや行動に至った理由を聞くことが難しくなります。話し合った時の効果も薄れてしまいます。
時間が経ってから話しても「あの時は何も言わなかった。」「何を今さら言っているのか。」と素直に受け取られなくなってしまいます。なるべく、早い対応を心がけましょう。
関わり方のポイント② 言葉の使い方に気をつける

話をする際は、出来るだけ落ち着いた表情と口調で話すように気をつけましょう。相手が、「自分が悪いこと」を理解していても、攻撃的な口調や強い態度で対応してしまうと、拒否反応・防衛反応から相手の態度も強くなり、大切なふり返りができなくなります。
それでは、むしろ逆効果になってしまいますので、穏やかな態度を意識してください。
関わり方のポイント③ 事実を正確に把握する

起きてしまった事態に対しては、自分が見た事実だけでなく、起こしてしまった本人の考えや行動をきちんと確認しましょう。
具体的には、 「いつの時間帯」「どの場所で」「どんな状況で」「何があったのか」「どのように行動したのか」「結果どうだったのか」
これらを確認していきます。
関わり方のポイント④ 事実に対しての職員の想いを確認する

客観的に事実を把握できたところで、その事実に対して当該職員がどのよう感じているのか、その想いを確認します。
精神的に追い詰められていたり、業務の負担が偏っていたり、不適切なケアの要因は様々です。
してしまった事に対して、冷静に振り返った時に、反省をしているようであれば、その事に対してきちんと感謝し、認めることが重要です。
関わり方のポイント⑤ 当該職員に自らアクションプランを考えてもらう

同じような失敗を繰り返さないために、当該職員自身に実効性あるアクションプランを考えてもらいます。
こちらから「こうしてほしい」でなはく、自分自身に考えてもらう事で、自分の言葉に責任を持ってもらうためです。
提示されたアクションプランは、必ず確認し、必要に応じて修正していきます。そして、その後の行動についてもきちんと確認するようにしましょう。
最後に伝えたいこと
「不適切なケア」をしてしまう職員に対しての関わり方についてお話してきました。
誰もが何か行動するときには、「その理由」や「原因」があります。部署の責任者は、冷静な態度で当該職員の話を聞く姿勢が求められます。
ぜひこれらのポイントを押さえて、より良いサービス提供へつなげていけるように頑張ってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。