【介護職員】人間関係が悪いと起こる離職・虐待 人間関係が与える影響と対応策について解説

介護福祉士
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 こんにちは、『福祉のクズきち』です。

 今回は、「介護現場の人間関係」についてのお話です。

 

 介護に限らず、多かれ少なかれどの職種においても人間関係の悩みは存在すると思います。誰もが人間関係が良好であった方が良いと思っているはずです。

 かつて私も、人間関係に大きな悩みを感じていました。

 人間関係が悪い職場だと…

○モチベーションの低下

○仕事の質の低下

○精神的ストレスの増大

 など、様々な悪影響があります。

 こんな職場では、働きたくないですよね?

 介護現場においては、人間関係の悪さは「ケアの質」に直結しますし、職員の離職にもつながります。

 運営主体である組織が、人間関係を含む職場環境の改善に取り組むことは必要ですが、組織だけが取り組んだとしても、表面的な体制づくりに終わってしまうことがあり、結局は職員ひとりひとりが意識して取り組まなければならないものです。

 職員研修をしても、人事システム体制を見直しても、実際に取り組まなければ何も変わらないんです。

良好な関係づくりができない事を組織だけの責任にしていないか?

 行動しなければならないのは、あなた自身です。

 組織や上司の責任にしていても、何も変わりません。


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なぜ良い人間関係を構築する行動ができないのか?

 では、なぜ行動できないのでしょうか?

 良好な人間関係であった方が良いと誰もが感じているはずです。しかし、そのために自分から行動できているかと考えてみた時に、人間関係が悪い職場であるほど、「行動できていない人」が多いと思います。

「行動できない人」=「指示待ち人間になってしまっている」人です。

 なぜそうなってしまうのでしょうか?

行動できない理由① そもそも人間関係におけるストレスが多い

 介護を含む福祉職は、基本的に人と関わる事が仕事です。関わる必要がある人間関係が多いほど、トラブルに巻き込まれる可能性も高くなるわけです。

 共に働く職員同士の人間関係はもちろん、ご利用者やご家族との関係にも気を配る必要があり、人間関係に関わること自体にストレスが多くなっています。

職員同士の人間関係に対するストレス

 介護現場は、介護はもちろんその他の職種も関わりながらチームケアを提供する場です。そのため、様々な専門性やいろいろな価値観が重なり合う現場でもあります。

 同じ介護職員同士でも、経験年数や年代による考え方の違いや価値観の違いが、人間関係のトラブルを引き起こす要因となります。

 新しいやり方を受け入れられなかったり、自分なりの介護といって自身の経験に基づく感覚的な介護に走ってしまうと、独りよがりの介護になり、他の介護職員のやり方を認められない事態が起こってくるわけです。


 他の職種との関りでは、それぞれの専門性の違いや価値観の違いから、職種間で摩擦が生じる可能性が高くなります。

 例えば「看護職員」は、ご利用者の健康や命を守る使命感を持って働いています。常にリスクや根拠に基づいた対応を考えます。対して「介護職員」は、ご利用者の生活を支えることを使命として、ご利用者が望むこと、やってあげたいことを考え行動します。

 双方の想いや主張に折り合いがついている状況であれば、特に問題はありませんが、意見のすり合わせがないまま、それぞれが行動してしまうと、そこに摩擦が生じるわけです。

 

行動できない理由② 仕事にやりがいを感じない

 自主的に行動できないのは、その仕事に意義を感じられていないからです。

 人間関係というのは、特に複雑で難しい問題であるため、自ら進んで取り組もうとするにはかなりの労力と勇気が必要です。

 しかし、取りんだところで改善するかは分かりませんし、労力に対して成果が見えにくければ誰もやいたがらないですよね。

行動できない理由③ 責任をとりたくない

 人間関係など複雑な問題に関わり、うまくいかなかった時の責任を取りたくないことも自ら行動できない理由です。

 「施設長が言ったから…」「上司の指示だから…」と責任が転嫁できる状況であった方が良いわけです。うまくいかなくても自分は言われた通りにやっただけで済みますから。

 結局、行動できなければ何も変わらないので、状況が好転することはありません。


 では、行動できる職員にはどのような意識があるのか?

○働きやすい環境を作る責任は自分にある

○お互いが気持ちよく仕事ができる環境を作る責任は自分にある

主体的に考える事が出来る人は、行動できる人です。

 自ら当事者意識を持って取り組まなければ、職場の人間関係を変えていくことはできません。

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悪い人間関係が介護現場に与える影響

 前述したように、人間関係が悪い職場では「モチベーションの低下」や「仕事の質の低下」など様々な悪影響があります。

 そして、介護におけるこのような状況は、「ケアの質の低下」「不適切なケアの原因」となる可能性が必要に高くなります。

 報連相ができない介護現場では、ケアの連続性が生まれず、必要な申し送りもされないため、独りよがりの介護や職員都合の介護業務となってしまいます。

 結果的に、高齢者虐待や重大事故の原因につながる恐れがあるのです。

 もう少し具体的に見ていきましょう。

介護現場に与える影響① サービスの質の低下

人間関係が悪い職場では、連携や共通認識が生まれません

 それぞれが自分の思うように行動したり、介護をしてるだけになります。

 人によって介護の方法が違ったり、関わり方が違ったりと独りよがりの介護になります。これでは、良いケアが提供できるわけがありません。

介護現場に与える影響② 精神的負担の増大

 そもそも、人間関係が悪いと分かっている職場に向かうだけで、職員のストレスは強くなります。

 仕事へのモチベーションや意義を感じにくくなります。心理的・精神的に追い詰められていく職場では、職員の定着も難しく、人手不足から更なるストレスへつながっていく可能性も高いです。

介護現場に与える影響③ ご利用者への権利擁護意識の低下

 職員のストレスや苛立ちが、ご利用者に向けられてしまう可能性も高くなります。

 声かけが乱暴になったり、介護が雑になったり、不適切なケアが日常的に起こるような環境になる可能性もあります。

 結果的に身体拘束や高齢者虐待などの重大事案につながっていきます。これは、ご利用者の権利侵害につながります。

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より良い人間関係を構築できる介護職員になるには⁈

 では、より良い職場環境を作り上げるために、私たちはどのような行動をしなければならないのでしょうか?

  人間関係は、福祉の現場に限らず生きている以上常に周りにある課題です。ここでは、より良い人間関係を築き、チームケアを提供していくために、すぐにできる行動を紹介していきます。

良い人間関係を構築する方法① 相手の気持ちを謙虚に受け止める

 そもそも全く同じ境遇、同じ環境で生きてきた人はいません。当然、人それぞれ価値観が違います。まずは、「価値観は違うもの」として受け入れましょう。

 話の内容によっては、意見が全く理解できないことや納得できないこともあると思います。

 そんな時は、とりあえず頷いたり、「そういう考え方もあるのか」「面白い考え方をする人だな」と一度話を受け止めましょう。

ありのままを無条件で受け入れることが大切

 もし、意見が違うところがある場合は、話を聞いた上で「私はこう思う」や「こんな考え方もあるのでは」と伝えるようにすると良いと思います。

良い人間関係を構築する方法② 基本的なあいさつをする

 挨拶はコミュニケーションの基本であり、スタートです。

 しかし、意外とできていない人って多くないですか?ただ言葉を交わせば良いという訳ではなく、

○相手の目を見ること

○柔らかい表情であること

○挨拶にひとこと加えること

ということを意識しましょう。

特に…

挨拶+ひとことで、コミュニケーションの幅が広がります

 「おはようございます。今日は寒い日になりそうですね。」

 「ありがとうございます。いつもお疲れ様です。」

 など、コミュニケーションのきっかけとなる言葉がけを意識してみましょう。

良い人間関係を構築する方法③ 思考の転換

 相手のネガティブな部分ばかりに目が行ってしまうと、良い関係を築くことが難しくなります。そのために、ネガティブな部分をポジティブな要素に変換する訓練をしてみましょう。

○「仕事が遅い」 ⇒ 「ひとうひとつ丁寧な仕事ぶり」

○「行動が遅く消極的」 ⇒ 「物事をじっくり考えてから行動する」

 相手の対する捉え方を少し変えてみるだけで、印象が変わるのではないでしょうか。

良い人間関係を構築する方法④ 悪口を言わない・関与しない

 職員同士の悪口や噂話は、何ひとつメリットがありません。

 言った職員への印象も悪くなりますし、聞いている方も良い気持ちはしないでしょう。また、悪口を言われる対象になった職員に対しても、気を遣ってしまったり、穿った見方をしてしまう可能性もあります。

悪口を言わない・言っている人からは距離をとる

 知らぬ間に自分に返ってくる可能性もあります。

最後に伝えたいこと

 どんな職場でも人間関係の問題はあります。

 介護現場は、基本的に人と関わる場面です。もちろん全てが悪い間関係ばかりではありませんし、ステキな仲間、利用者に恵まれることもあるでしょう。

 もし人間関係の悩みや関係改善が必要な時は、この記事を参考にして頂けると嬉しいです。ぜひ良好な関係を築き、より良いケアを提供できるよう頑張ってください。

 もし、どんな方法をとっても人間関係の改善が見られないようであれば、転職することも視野に入れた方が良いかもしれませんね。

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