こんにちは『福祉のクズきち』です。
今回は、来年度から生活相談員として働く新卒の方に向けて、入社までの約5か月の間に知っておくべき内容についてお話していきます。
今回の記事で紹介する内容を知っておくことで、生活相談員としてすぐに力を発揮する準備をすることができ、爆速で即戦力となれるために必要なことですので、ぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいです。
そもそも私自身、生活相談員がどんな仕事なのかを全く理解せずに入職しました。
「生活相談員だから、相談を受けて、しかるべきサービスにつなげれば良いんだろう。」
そんな軽い気持ちで働き始めました。当然、知識もなく、制度の理解もせずに働き始めたので、自分が全く役に立たないことに気づくのに、それほど時間は必要ありませんでした。
劣等感を感じる毎日…なぜ準備をしてこなかったのかと後悔する日々が続きました。
皆さんには、そんな想いをしてほしくない!
今回の内容は、新卒の生活相談員がスタートからつまずかないためのポイントについて整理しましたので、ぜひ最後まで読んで頂きたいと思います。
やっておくべき事1 生活相談員の仕事を知る
生活相談員は、文字通りご利用者やご家族の相談に応じたり、関係する事業所から依頼があったケースについて相談を受け、サービスを調整していく仕事です。
主に、デイサービスセンターや特別養護老人ホーム、ショートステイなどが働く場所になります。
介護職員と違い、生活相談員の仕事は様々な分野への知識と思考と行動が求められます。施設の経営面などにも関わるとても重要な役割です。
配置人数も少ないため、負担が大きく、精神的にストレスを感じやすい職種ですが、学ぶことも多いのも事実です。制度にも詳しくなるため、その後のキャリアアップも目指しやすいです。
生活相談員の仕事① ご利用者やご家族からの相談に対する対応
ご利用者やご家族からの相談について対応します。
事業所のサービス利用開始前にあたっては、サービス利用についての相談や意向の確認、説明を行います。利用希望となれば、利用料金やサービスメニューの説明などを行います。契約書・重要事項説明書の説明、契約の締結も行います。
利用後もご本人の状態に合わせたケアの内容の見直し、体調不良や転倒事故が発生した際の連絡や受診調整などの対応を行います。
生活相談員の仕事② 関係事業所との連絡・調整
サービス利用を希望するご利用者やご家族が、直接施設に来所する場合もありますが、多くは居宅介護支援事業所や病院のソーシャルワーカーなどの関連機関から相談が寄せられます。
その他にも介護保険更新の代行申請や地域包括支援センターの虐待ケースの受け入れ調整などがあります。
逆を言えば、関係事業所との関係性が良くなかったり、調整がうまくできないと、利用してくれるお客様(ご利用者)を紹介してもらえなくなり、施設の経営に影響が出てきます。
関係機関の連絡や調整は、重要な仕事になります。
生活相談員の仕事③ 介護報酬の請求業務
施設や事業所の収入源は、サービスを利用して頂いた分の介護報酬です。この請求業務に関して、生活相談員が関わる部分が多くあります。
〇施設の人員基準や配置がきちんと行われているか?
〇算定している加算の要件を満たしているのか?
〇介護保険情報は間違っていないか?
などをきちんと確認し、請求を行う必要があります。間違えがあった場合、介護報酬が入って来なかったり、返還する必要が出てきます。かなり重要な業務のひとつです。
生活相談員の仕事④ 施設内の情報共有
新規利用者や相談内容などを介護職員や看護職員などと共有します。
その他、ご利用者の状態変化や入院中のご利用者の状態確認など、様々な部分において各職種と連携をとっていくことが求められます。
時には、苦情やご意見などを頂いた場合なども、きちんと状況を把握し、施設の職員がその件についてしっかりと把握できるようにしていく必要もあります。
やっておくべき事2 介護保険制度を理解する
老人福祉法と合わせて介護保険制度の下で成り立っている事業体であるデイサービスや特別養護老人ホームなどで働くことになりますので、制度への理解は欠かせません。
制度に則って事業を運営していくわけですので、その運営・経営部分に関わる生活相談員が、その制度を理解していないのは致命的です。入社までの期間に、制度の概要などを理解してく必要があります。
介護保険制度で押さえておきたい内容① 勤務する事業所の種別
最低限、自分が勤務する事業所の種別の内容は知っておきましょう。
介護保険制度上における事業所は、その種別によって役割が異なります。
自分が勤務する事業所が、デイサービスなのか?ショートステイなのか?特別養護老人ホームなのか?
それぞれの事業所の役割は何か?それらを理解しているのとしていないのとでは、生活相談員としてのスタート地点が違ってきます。制度への理解は、基本中の基本ですので、きちんと事前に学習しておきましょう。
介護保険制度で押さえておきたい内容② 介護報酬と加算について
事業所の種別と合わせて理解しておきたいのが、その事業所の介護報酬の内容と加算についてです。
生活相談員の業務の中で、介護報酬の請求業務を上げさせて頂きましたが、自分が勤務する介護報酬や加算は押さえておきたいところです。
基本サービス費の単価はどれくらいか?どの加算を算定しているのか?加算の算定要件は?
働くまで、なかなか踏み込みずらい領域でありますが、仕事をすれば必ず必要になる知識です。多くの人が、働きながら理解していこうとする中で、入職時点でこの事を知っておく事は、その後の業務を理解していく上では、大きなアドバンテージになります。
やっておくべき事3 他の職種の役割を理解する
介護の仕事は、チームケアが基本です。事業所には、介護職員だけでなく、看護職員や理学療法士、介護支援専門員や管理栄養士など、多くの職種が働いています。
それぞれの職種が、知識と専門性を持って働いている中で、ご利用者の状態や施設の状況に合わせて、その力を最大限に発揮できるよう調整していく役割が求められます。そのためには、各職種の役割を理解してくことが重要となります。
ここでは、関わる機会の多い介護職員と看護職員の役割について、簡単に説明させて頂きます。
介護職員の役割
介護職員は、日常生活の中で必要な介助を提供する役割を担っています。ご利用者おひとりおひとりの状態やお気持ちに合わせて、その方の力を発揮して頂きつつ、安心した生活が送れるように支援していきます。
ご利用者に一番近い立場で関わって下さる職種であるため、ご利用者の細かな変化や状態を知りたい時などは、介護職員に来てみると有益な情報を得られる可能性が高いです。
多くのご利用者の介護に携わる激務の中でも、笑顔と優しさを忘れず、ご利用者に安心と安らぎを与えてくれる存在です。
看護職員の役割
看護職員は、ご利用者の体調管理や内服の管理など、ご利用者の健康状態の維持・管理を担っています。
ご利用者の生命を守る立場上、時に厳しい意見を頂くこともありますが、それもご利用者の事を想っての事です。看護業務に携わりながらも、介護業務を手助けしてくれたり、介護・医療の両面で施設を支えてくれる大切な存在です。
やっておくべき事4 コミュニケーションの基本を理解する
生活相談員の仕事のメインは、コミュニケーションです。介護の仕事は、人と人が関わる仕事である以上、コミュニケーションはとても重要です。
特に生活相談員は、その発言が大きな影響力を持つ場合があります。適切な伝え方やご利用者やご家族、職員それぞれに合わせたコミュニケーションの取り方を知っておく必要があります。
ここでは、コミュニケーションの基本的な姿勢について解説しておきます。
コミュニケーションの基本① あいさつ
施設の窓口として、最初に顔を合わせる可能性が高い生活相談員ですので、まずは丁寧なあいさつを心がけましょう。
疲れていたり、イライラしている事もあるかもしれませんが、施設に相談に来た人にとっては関係ありませんし、施設で最初に関わった相談員のあいさつが無愛想であれば、それだけで施設のイメージダウンにつながります。
あいさつは、コミュニケーションのスタートです。
日頃の自分のあいさつをふり返り、相手に気持ちよく感じて頂けるあいさつを身につけておきましょう。
コミュニケーションの基本② 傾聴の姿勢
基本は相手の話を聴くことです。
ただ‘聞く‘ではなく、『聴く』ことが重要です。相手の話のその奥にある本当の気持ちや想いに耳を傾け、しっかりと『聴く』ことを意識しましょう。
そのために、相手が話しやすくなる環境や雰囲気、言葉がけが重要です。
『聴く』姿勢だけでも、相手の悩みやストレスを軽減する事ができます。それだけ『聴く』という行為は、コミュニケーションにおいて、とても重要なんです。
コミュニケーションの基本③ 無条件での受容
生活相談員は、ご利用者やご家族、時には職員の悩みや相談を受ける仕事です。
話の内容の中には、否定的な意見や感情が含まれている事も多く、その矛先が相談員に向けられる事もあります。
否定的な意見やネガティブな感情を向けられると、感情が高ぶったり、冷静さを失ってしまう可能性がありますが、その自身の感情に任せて反論してしまっては、何も解決しません。
その意見や感情の中でに、どのような課題や悩みがあるのかを見つけられるのが生活相談員です。
そのための最初のステップとして、相手の考えや感情は、まず無条件で受け止める(受容する)事が重要です。
コミュニケーションの基本④ 共感する
コミュニケーションの中で、相手の人生や境遇、苦しみや幸せを感じ、その想いを感じ取るのが「共感」です。
相手の気持ちに寄り添うことができなければ、独りよがりのケアになってしまい、ご利用者の悩みを解決する事ができません。
相手の感情に合わせる事で、『話を聴いてもらえている』という安心感を持つことができるのです。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。生活相談員は、基本的な知識からコミュニケーションまで、幅広い知識と技術が求められます。
もちろん、仕事をしながらでも身につけられるものですが、実際に働く前に知っておくことで、初日からの理解度が抜群に違います。正直、自分もやっておけば良かったと思っています。
皆さんには、最初から爆速で成長してもらいたいと思ってます。ぜひ、実践してみて下さい。