こんにちは、「福祉のクズきち」です。今回は、特に新人職員が知っておくべき「認知症の超超超基本」についてお話していきます。
「きっかけは、君が写ったスフ…」ではなく、施設で認知症の研修をしていたとき…

では、認知症について知っている事を話してみて下さい!

えっと…「物忘れ」があって、「徘徊」したり「不穏」になったりすることとか…

えっ⁈な…なるほど。
新人職員も参加していた研修だったので、さすがにマズいと思いました。
今回は、この研修での経験を踏まえて認知症の基礎知識をまとめていきます。
今回の記事で分かる内容はこちら↓
- 認知症と物忘れの違い
- 認知症の分類
- 中核症状と行動・心理症状(BPSD)
- 認知症の治療について
認知症と物忘れ
「認知症=物忘れ」とイメージする方が多いと思います。これは、半分正解で半分間違っています。これは、認知症の中に記憶障害という中核症状があり、よくテレビなどで認知症の初期症状のように表現されているからかもしれません。
もう少し具体的に比較したものが下記の表になります↓
老化による物忘れ | 認知症 | |
原因 | 脳の生理的な老化による | 脳の神経細胞の破壊・変異 |
症状の経過・進行 | あまり進行しない | 徐々に進行していく |
物忘れの症状 | 体験、経験したことの一部を忘れる(思い出す可能性がある) | 体験、経験したこと自体忘れる(何かヒントがあっても思い出せない) |
判断力など | 基本的には低下しない | 低下する |
症状に対する自覚 | 物忘れがでてきたことを自覚している | 忘れたことの自覚がない |
日常の生活 | 支障なく生活できる | 支障がある |
物忘れが脳の老化を原因とする症状であるのに対して、認知症による忘れは、何らかの病気や事故などにより、脳の神経細胞が破壊されたり、変異する事によって起こるものであることが分かると思います。
認知症の分類
認知症もその原因によっていくつかに分類されます。下記のグラフに示したとおり、最も多いとされるのが「アルツハイマー型認知症」です。皆さんも聞き覚えはあるのではないでしょうか⁈次に多いのが「脳血管性認知症」次いで「レビー小体型認知症」と続きます。
それぞれの原因や症状についても合わせて確認しておきましょう。

認知症の中核症状と行動・心理症状
認知症は、脳が何らかの原因により破壊・損傷したり、萎縮したりする事が原因で様々な障害が起こります。
認知症の症状は、大きく分けて「中核症状」と「行動・心理症状」があります。
それそれの主な症状は下記の図表を参考にして下さい。※基礎編なので詳細は別記事で解説します。

認知症の治療について
ここでは、認知症の治療についてお話していきます。認知症の治療については、進行を遅らせたり、緩やかにする薬などがあることが知られています。「認知症は治らない」が一般的な考えです。しかし、認知症の中には治る認知症も実は存在しています。それぞれの認知症についてお話していきます。
アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の治療
✅アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症については、進行をゆるやかにする薬はあるが、完全に治す薬は今のところありません。
✅アルツハイマー型認知症関しては、昔の出来事などはよく覚えているため、楽しかった思い出などを引き出し、心地よい時間を過ごしてもらう「回想法」を用いることがあります。これは「行動・心理症状」の軽減に有効です。
✅懐かしい歌や音楽などで不安やストレスを軽減する「音楽療法」もあり、「行動・心理症状」の軽減に有効です。
脳血管性認知症の治療
✅死滅した細胞を戻すことはできないため、再発防止のための高血圧薬や血流改善薬などを使用します。
✅脳血管障害の再発防止や転倒予防のためのリハビリテーションが有効です。
特発性正常圧水頭症は、治る認知症
✅高齢者に多い特発性正常圧水頭症の患者さんには、より負担が少ない「脳室−腹腔シャント術」が多く行われています。手術によって、歩行障害は早期に改善し、認知症様症状も1年もたつと大分改善すると言われています。
まとめ
今回は、認知症の超超超基本的な内容をお話してきました。もし、高齢者施設に勤務する予定の方やすでに勤務している人は、知っておくべき内容となっていますので、確認してみて下さいね。