福祉のクズきちの研修シリーズ⑦ 『倫理及び法令遵守に関する研修』
倫理及び法令順守に関する研修動画(5分)
倫理とは何か?
私たちの行動や姿勢・態度などは、「こうすべき/あるべきである」あるいは「こうせよ/こうあれ」という具合に、人として守るべき道(例えば「挨拶はきちんとしましょう」、「人には優しくしましょう」など)の基準があります。
これが、「倫理」です。
「倫理」は、善悪の判断における普遍的な基準であり、社会生活を送る上での一般的な決まりごとです。
この「倫理」について研修をする目的は次のとおりです。
「倫理」は、社会生活上の一般的な決まりごとである以上、「やっていいこと」「やってはいけないこと」は、当たり前に出来ているはずです。
しかし、私たち福祉・介護の世界は、慢性的な人手不足や認知症の方への関わり、職員同士の人間関係など、なにかと忙しさやストレスのかかる仕事です。
そのため、時に「倫理」を忘れてしまいがちになる、おろそかになってしまう事があります。
だから定期的に「倫理」について考えることで、自身をふり返る必要があるんです。
倫理が必要な理由① 高い倫理観が求められる福祉という仕事
福祉の仕事は、世間的には非常に公共性の高い事業として見られています。
よくテレビで事件の報道がされる時、「医師」や「教師」と同様に介護や福祉に従事している者が加害者となると、「介護福祉士の○○容疑者が…」とか「介護職員の○○が…」など
私たちも、福祉の事業を行っている会社に属する「会社員」でしかありません。
しかし、「介護職の…」「福祉の…」と報道されるのは、それだけ公共性と信頼性が必要な仕事だからです。
特に社会福祉法人では
〇公共性…地域福祉の充実や発展に貢献する、社会福祉事業を目的としている
〇非営利性…利潤を目的としない
〇安定性…事業の持続が必要
高い公共性が求められる事業体なんですね。
倫理が必要な理由② 高齢者虐待防止に対する取り組み
「倫理観」の欠如は、高齢者虐待や虐待につながる可能性がある不適切なケアを生みやすくなります。
自分たちが当たり前にやっている事が、本当に正しいことなのか?
定期的に見直す必要があります。「高齢者虐待防止の研修」や「身体拘束防止に関する研修」の前に、自分たちの心の内面を見つめ直す必要があります。
「倫理観」が備わっていなければ、自分たちのケアを正しく評価する事ができません。
だからこそ、「倫理」については繰り返し確認する必要があります。
倫理が必要な理由③ サービスの質の向上のため
介護福祉士や社会福祉士などには、それぞれ倫理綱領が設けられています。
「介護福祉士の倫理綱領」はこちら
「社会福祉士の倫理綱領」はこちら
この内容は、それぞれの資格を有しているのであれば、当然理解し実践されるべきものになっています。しかし、現実は忙しさやストレスなどから、意識せずにケアが行われている事がほとんどです。
これらの倫理綱領に書かれているのは
〇専門職に求められる行動の倫理規範
〇専門職として、その期待に応え、実践していくべきもの
これらが実践されることで、専門職としての立ち位置が確立され、持続的なものになっていくのです。
倫理観を持って自分がどう行動するべきなのか
研修のみで倫理観を持った行動ができるわけではありません。
その研修を受けてどう行動するかは自分次第です。また、研修に限らず自分自身で、自分の行動を常に振り返ることも重要です。
よく人手不足や上司の理解不足などを理由に行動できないという人がいます。確かに、慢性的な人手不足は、業務負担を増大させ、職員のストレスも大きくなります。それについては理解できます。
しかし、自身の行動をふり返らずに環境や周囲のせいにしているだけの人は、人手不足が解消されてもその行動は変わらないでしょう。
自分が正しい行動を出来なかった理由を他に原因があるように正当化するのではなく、自分がどう行動するのかをまず考えることが重要です。
○倫理は、最も基本的であると同時に最も重要なことです
○ご利用者の生活を支えるチームの一員として責任ある行動を心がけましょう