【すぐに使える】福祉・介護職員の『接遇に関する研修』について

介護福祉士
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  福祉のクズきちの研修シリーズ⑥ 『福祉・介護職員の接遇に関する研修』

 皆さん、「接遇」という言葉、聞いたことありますよね。

 介護の研修でも取り上げられる内容です。今回、この記事に辿り着いてくださった方は、

「接遇」について考えたい「接遇」を身につけたい「接遇」の研修で何を話そうか迷っている

 そんな想いを持っている方だと推測します。今回は、接遇の重要性に加えて、具体的にどのような視点で取り組んでいくべきなのかについても解説していきますので、最後まで読んで頂けると嬉しいです。

 接遇とは…

お客様※(介護で言えばご利用者)だけでなく、職員や社会、地域に対しての「おもてなし」

のことです。


 ちなみに「接客」という言葉もあります。

 接客とは…

「接客」は、サービスを受けたり、商品を購入するお客様に限定した「おもてなし」

 つまり、接客との違いはお客様(ご利用者)に限定しているかしていなかで区別されます。

 

 まずは「接遇」の重要性からお話していきます。

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「接遇」を身につけるべき理由① 「接遇の重要性」について

● 私たちの仕事は、ご利用者の生活を支えること。人との関わりが基本となること。ご利用者の様々な事情やそれぞれの背景、ご病気や尊厳に配慮した関わりをすることで、信頼関係を築いていく事が重要だから。

職員目線で言うと「拒否」や「不穏」というのは、信頼できない不適切なケアが原因で起こっているのかもしれないという意識を持つことが必要だから。

職員間でも接遇も重要。介護はひとりで行っているものではないため、人間関係が良くない事業所では、介護に必要なやり取りが十分に行われず、人任せになったり独りよがりの介護になってしまう。そして何か起これば人のせいにしてしまいがちになる。そのような職場では、ご利用者に安心して頂けるサービスは提供できないから。

特に社会福祉法人は、税制面などの優遇措置があり、公共性の非常に高い事業体であるがゆえに、地域社会へ信頼され、地域に還元していくものでなければならない。世間から厳しい目で見られている事を自覚する必要があるから。

 前述したように「接遇」は、ご利用者だけでなく職員や地域、社会に対しても意識していかなければなりません。

 また、「接遇」はひとりで取り組むものではなく、事業所全体で取り組んでいくべきものですので、ご利用者に対する「気づき」や「配慮」だけでなく、職員に対する「配慮」なども合わせて考えていきましょう。

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「接遇」を身につけるべき理由② 介護を取り巻く実情の変化

求められるサービスの質が高くなってきている事を意識する必要がある。今までは、在宅で家族が介護できない部分を補完するだけで感謝されたり、満足して頂ける時代だったが、現代ではリハビリに特化していたり、自立支援を促すなどの付加価値を付けたサービスを提供しないと評価されない時代になってきている。

介護保険制度が介護サービスを提供するだけでなく、身体機能の維持や向上や生活の質の向上など、成果に対する報酬(アウトカム評価)が導入されるなど、業界全体の質の向上に取り組む流れにある。

様々な情報が入りやすくなり、口コミサイトなども出てきており、誰もが評価できる時代になってきている。施設として健全な経営や良いサービスを提供していても、たったひとりの職員の不適切な対応で評価が下がってしまう時代。

 時代の変化とともに福祉に求められるサービスの質も変化してきています。ただ介護サービスを提供するだけでは満足されず、様々な付加価値をつけたサービスが求められるようになってきました。

 インターネットの普及により、多くの情報が飛び交う社会になり、施設の評価も手軽にできてしまう時代になってきたことを意識しましょう。

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接遇で取り組むべきこと① 挨拶

 挨拶はコミュニケーションのスタートです。表情や声のトーンなどを意識した挨拶をすることで、相手の第一印象を好意的なものにすることができます。

 逆に無愛想だったり、視線を合わせない挨拶は、相手にも良い印象を与えず、職員だけでなく施設の評価を下げる事につながる可能性があることを意識しましょう。

 挨拶のワンポイントアドバイスとして、「挨拶+ひとこと」をオススメしています。

「おはようございます。今日は暑くなりそうですよ。私は暑いのが苦手で…○○さんはどうですか?」

「こんにちは。○○さん今日は顔色がいいですね。体調はいかがですか?」 など

挨拶にひとこと加えるだけで、会話の幅が広がります。ぜひ実践してみて下さい。

接遇で取り組むべきこと② 言葉づかい

 正しい言葉づかいや相手に配慮した言葉を選びましょう。忙しい業務の中では、時に乱暴になってしまうことがあるかもしれません。その一言が信頼を失ってしまう可能性もあります。少し意識してみましょう。

 職員が自らの立場を理解した言葉づかいが大切です。簡単な内容でも、不適切な言葉になっていないか注意しましょう。

● 「〇〇さん、トイレ連れてってあげるよ」 ⇒ NG

● 「〇〇さん、トイレにご案内しますね」  ⇒ OK

 また、ご利用者の目の前でケアの内容や排せつなどデリケートな内容を話すことがないように注意しましょう。


 専門用語や難解な言葉を使ってご利用者やご家族にお話するのも不適切な対応になります。

ご本人のQOLの向上のためにADLについて改善が見込めるので、積極的にリハしていきたいと思います。 ⇒ NG

ご本人がこちらで楽しく安心して生活ができるように、身体を動かしたり、外出する機会を作りながら、生活の中で少しずつ訓練させて頂きますね。 ⇒ OK

 ご利用者やご家族にも分かりやすい表現で、丁寧にお伝えする事が重要です。


 伝えたい内容にひとこと加えることで、より丁寧な印象を与えることができます。

「こちらに署名・捺印をお願いします。」

お手数をおかけしますが、こちらに署名・捺印をお願いします。」

「それは難しいです。」

⇒「ご期待に沿えず申し訳ありません。ですが、こちらの方法であれば対応する事ができます

 ちょっとした気遣いで印象はだいぶ変わってきます。

接遇で取り組むべきこと③ 表情

 第一印象は3秒で決まると言われています。表情や服装など、目から視覚的に入る情報は、すぐに脳に伝わりインプットされます。

 疲れていたり、怠いと感じている日でも、ご利用者やご家族などの前では安心感を与える柔らかい表情を意識しましょう。これは、職員に対しても同様です。

 抑えられない感情がある場合は、誰もいないところで叫ぶなど工夫しましょう。

接遇で取り組むべきこと④ 気づくこと

 ご利用者に一番近くにいるのは介護職員です。普段接している介護職員だからこそ、細かな変化に気づくことができると思います。

 ちょっとした変化に気づいたら、誰かに相談したり、報告するようにしましょう。

● いつもより少し顔が赤いし、身体が熱いような気がする

バイタル測定してみる、看護師に報告する

● 夕方の時間になると不安そうな表情をしているな

声をかけてみる、何変わった様子がなかったか他の職員に確認してみる

 気づけるからこそできる配慮があるはずです。

最後に

 介護に求められる「接遇」は、時代の変化とともに高くなってきています。人手不足で多くの業務をしなければならない介護職員の負担は大きいと思います。

 その中で、「接遇」にまで気を回すことは難しいかもしれません。

 でも、完璧じゃなくていいんです。

 私たちも人間なので、「いつも笑顔」「常に丁寧に」なんて難しいですよね。

 だから、時々自分自身の気持ちをふり返る機会を持ってください。

● 今日、あの言い方はちょっとマズかったかな…

● 今日は、ご利用者の笑顔を作る関わりができて良かった

 1日の中で、ちょっと自分をふり返って評価してみる機会をもってくれれば良いと思います。完全な人間なんていません。自分の気持ちを向き合いながら、ぜひ「接遇」相手を想う気持ちを大切にして頂ければと思います。

 最後まで読んで頂きありがとうございました。

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